【petit-tetu】鐡より食がメインの旅

■はじめに
 最近は国内出張がほとんどなかったが、青森へ行くこととなった。調べてみるとちょっとした鐡ネタも拾えそうだったため、久々に「出張ついでのおでかけ」をすることとなった。

 鐡ネタのメインは、「奥羽本線全線開通記念号」である。9月12日に湯沢から青森、翌13日に青森から湯沢まで運転されるもので、通しで乗る時間はないが、13日に青森から鷹ノ巣(もしくは大館)までなら「つまみ食い」できる時間帯である。
 私はこの手のイベント列車にはほとんど乗ったことがないが(興味がないため)、今回は「583系」で運転されるということで、食指が動いた次第である。私は「○○系」という車両形式の情報にまったく疎いが、小中学生時代を水戸市や宇都宮市(常磐線や東北本線がある地域)で育ったこともあり、583系だけは当時からのお気に入りなのである。座席から寝台に転用できるシステム性や、外観や塗装などが私の子供心に響いていたようであり、一種の憧れでもあった。また高校2年の時分に初めて北海道に行った際には、東北新幹線の終着駅であった盛岡から青森まで乗った特急「はつかり」がこの583系だったことがあり、これも思い出の一つとなっている。

 指定券の発売日に職場からの最寄駅へ行ってみたが、すでに売り切れであった。ネットオークションではいくつか出品されていたが、乗る意思もない切符を転売目的で売ること=ダフ屋行為であり、これははっきり言って違法行為である。よってそれに加担する気にはなれないため、地道にキャンセル待ちを狙うこととした。
 なかなかキャンセルは出なかったが、当該列車の出発当日の早朝5時半過ぎ(「えきねっと」が受付を開始する時間)に十和田湖畔の民宿でJRのサイトを見てみると、やっと空席が出ていたのでそれを確保した。

@青森駅にて

■2015.9.11
 久々の「はやぶさ」で青森へと向かう。7時36分発なので今までならば苦にならない時間であったが、2か月前に都心から千葉県松戸市に引っ越したので、少し早起きが必要である(元々早起きなので問題はないが)。

@連結部分

 まだ朝早いので腹は減っていないが、つい旅行気分で駅弁を買ってしまう(今日は仕事だが)。東京らしいもの、ということで、天皇陛下が好んで食されているということで最近有名になった「チキン弁当」にしてみた。東京駅には上品で繊細な弁当が数多あるが、このチキン弁当はかなり「がっつり系」であり、これを陛下が気に入られているとはかなり意外である。

@野菜なし

 七戸十和田で下車後、あれこれと仕事をこなし、この日は八戸市内にある激安ホテル(2,400円)に投宿。

■2015.9.12
 本八戸駅まで歩いて移動し、在来線である八戸線で八戸へ。ここで「青い森鉄道」のフリー切符を買い、ホームへと向かった。待っていたのは新型の車両であり、快速としても運用されることのあるものであった。

@これにて移動

 7時40分に八戸を出発し、各駅に停まりつつ移動すること約1時間強で浅虫温泉に到着した。ここで途中下車したのは、豪華な朝食を頂くためである。
 駅から北方面に歩いて5分強のところにある、某飲食店評価サイトでも高い口コミ評価を得ている店へと向かった。朝の中途半端な時間であるため、客は私だけである。迷いもせず、事前に心に決めておいた「4色丼」を頼んだ。

@うに・いくら・ほたて・あわび

 豪華な朝食を堪能してから駅付近に戻り、駅前市場で「ほたてのひも」などを買い、10時01分発の列車で青森へ向かった。
 今日は特に鐡ネタはないため、JRバスの「みずうみ」号で奥入瀬観光をするだけである。11時25分のバスに乗り、馬門岩バス停で下車し、そこから銚子大滝まで2時間ほどの散策を楽しんだ。

@プチハイキング(紅葉でなくても綺麗)

 銚子大滝から再度バスに乗り、終点の十和田湖で下車。湖畔にある乙女の像を見てから、今日の宿である民宿へと向かった。
 今日の夕食は「ひめます」づくしである。二食付で7千円しないのであるから、大満足であった。

@上記+せんべい汁とホタテの貝焼きも

■2015.9.13
 朝8時半のバスで山から下り、青森へと向かった。青森駅到着は11時20分過ぎであり、開通記念号の出発までまだ1時間半以上もある。
 となれば、まだ腹は減っていないが昼食である。港の近くでB級グルメのイベントが開催されているようだが、やはり青森といえば古川市場の「のっけ丼」である。歩いて5分程度のところにある市場へ行き、1,080円のチケットを買い、市場内を3周ほど歩いてネタを吟味してからあれこれ乗っけていった。我ながら納得の行く出来栄えである。

@トロ・えんがわ・うに・ほたて・サーモン

 駅へ戻り、少し早いが12時半くらいにホームへと入っていった。ホーム上には、すでに専門職の方がちらほらといてカメラを構えている。

@電光掲示

12時50分頃にアナウンスがあり、件の臨時快速列車が入線してきた。6両編成であり往時の半分程度の長さであるが、寝台であるが故の天井の高さなど、車両そのものの迫力は相変わらずである。

@先頭車両

 私の座席は2号車の一番端で、パンタグラフの下の部分であった。寝台であれば「パン下」という専門用語(?)に該当する部分である(三段式の上段がなくなり、中段の部分がかなり広くなる部分。乗車経験あり)。
 583系は各駅停車用に改造されたりしてしまい、往時のままで残っているのは数えるほどしかない。これに乗るのも、もしかしたら今回が最後かもしれない。

@オリジナルのままであるため、寝台にすることも可能

 定刻の13時12分に、列車は出発した。最新の車両のようなスムーズさはないが、かえってそれが懐かしい感じがする。
 しばらくすると、検札を兼ねて記念品が乗客に配付された。今回は特急ではなく快速列車である=指定席券しか費用はかからないわけであるからその収支が気になるところであるが、このようにしてファンやマニアを牽き付けておくのも必要な営業努力なのであろう。

@こういう物

 生憎な雨模様の中を走り続け、13時52分に弘前に到着した。ホームでは、駅員がお手製の看板を手にして歓迎の意を示している。JRも色々と大変である。

@こういう写真はモザイク不要でしょう

 弘前を出発し、次の停車駅は大鰐温泉である。少し停車時間があったのでホームに出てみたが、弘南鉄道のボロ駅舎と583系(ボロ車両)のコントラストが見事なこと。思わず写真を撮ってしまった。

@ボロボロと言ってすみません

 終点の湯沢まで行ってしまうと明日の仕事に影響してしまうため、今日は大館で下車して大館能代空港からの飛行機で帰京することにしている。
 大館で下車すると、やはりここでもお手製看板でのお出迎えがあった。

@やはりそのまま掲載

 さて、空港連絡バスまでにはしばしの時間がある。路線バスで市役所へ向かい、その近くにある秋田犬保存会の博物館へと向かった。展示物を見て、外にいた秋田犬にちょっかいを出し(相手にしてくれなかったが)、それから連絡バスで空港へと向かった。

@次回は遊んでください

 

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